拙論では唐代仏教制度史の視角から、勅住・配住・寄住という用語を考察する上で、唐代の僧侶及び在俗者が寺に住まう形態を明らかにする。唐代には、膨大な数の教団を管理する為に、厳密な僧籍制度が実施されており、その中で在籍僧(寺)は官度僧(寺)と呼ばれている。官寺における官度僧の人数は限定されており、人数が足りない時には試験によって僧を選抜した。そのために寺に止住することを「配住」と呼ぶ。本寺以外の外来僧が寺に住む時、「寄住」とよばれた。その申請の時には牒文が必要であった。それ以外に、皇帝の命令によって寺に止住する「勅住」がある。在俗者の住寺について、限られた文献から、唐代の官員と文人がよく寺に寄住していたことが分かってきた。詳細はまだ不明だが、後代の文献から類推すれば、在俗者の寄住には家賃の支払が伴った可能性があると考えられる。