レギュラトリーサイエンス学会誌
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特集(非臨床安全性評価の動向)
非臨床安全性評価に関するICHの動向
真木 一茂野中 瑞穂西村 次平三ヶ島 史人角田 聡直田 みさき西村 拓也平林 啓司
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2020 年 10 巻 1 号 p. 15-22

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抄録

医薬品規制調和国際会議 (ICH) では, 世界における公衆衛生の促進を目的に, 臨床での不必要な試験を避け, 安全性および有効性が損なわれることなく動物試験を軽減するために技術的要件に関する国際調和が進められている. 主要な活動としては, 品質, 安全性, 有効性および複合領域において, 国際調和に資する技術的なガイドラインの作成が行われており, 2017年5月から2019年6月にかけて, 安全性に関するトピックについては7つのトピックについて作業部会 (専門家作業部会や実施作業部会) において進捗があった. すなわち, ICH S3A Q & A (マイクロサンプリング手法の利用に関する質疑応答集) およびICH S9 Q & A (「抗悪性腫瘍薬の非臨床評価に関するガイドライン」 に関する質疑応答集) については, ICH総会においてStep 4が承認された. ICH S5 (R3) (医薬品の生殖発生毒性試験ガイドラインの改定) およびICH S11 (小児用医薬品開発の非臨床試験ガイドライン) については, 各参加国で募集したガイドライン案に対するパブリックコメントの対応を行っている. さらにICH S1 (R1) (医薬品のがん原性試験) においては, ガイドライン改定を検討するための評価作業が実施されている. また, ICH S7B (ヒト用医薬品の心室再分極遅延 (QT間隔延長) の潜在的可能性に関する非臨床評価) およびICH M7 (R2)〔潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性 (変異原性) 不純物の評価及び管理〕のQ & A作成がICH総会で承認され, それぞれの作業が開始されている.

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© 2020 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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