レギュラトリーサイエンス学会誌
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特集(非臨床安全性評価の動向)
幼若動物を用いた安全性試験の現状と課題
松本 清
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2020 年 10 巻 1 号 p. 23-31

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抄録

近年, 小児用医薬品開発は医薬品開発プロセスの中で重要になってきている. 医薬品メーカーは小児医薬品開発をサポートするために戦略を立て幼若動物試験の必要性を判断する. 幼若動物試験は, 開発医薬品の臨床背景や薬理学ならびに臨床および非臨床試験データなどの既存情報を考慮し, 必要と判断された場合に小児集団への懸念に対応した試験が計画され実施される. しかし, 幼若動物試験の必要性の判断基準や試験計画の詳細について, 規制地域間での調和が十分ではなく, 幼若動物試験の実施を複雑にしている. 本レビューでは幼若動物試験に関する背景と現状を概説するとともに, ISH S11の議論も踏まえながら試験の必要性とデザインに関する要点を紹介する. さらに, 幼若動物試験に関する問題点についても議論する.

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© 2020 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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