2021 年 11 巻 1 号 p. 43-51
医薬品開発の効率化をめざし, 生体模倣システム (Microphysiological Systems : MPS) の開発が日米欧で加速している. MPSとは微小な空間に, 生体 (in vivo) に近い培養環境を再構築したin vitro培養系のことである. 工学系技術と細胞培養技術が融合した新しい培養手法であり, 今までの培養技術とはまた違った観点から解決すべき問題点が指摘されている. そこで, 本稿では, MPSの社会実装への期待と, 行政的受け入れに向けて解決すべき課題について概説する.