レギュラトリーサイエンス学会誌
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Comparison of Emergency Contraceptive Pill Regulations in Other Highly Developed Countries and Policy Recommendations for the Deregulation in Japan
Carmen SAITOEriko KOBAYASHI
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2024 年 14 巻 1 号 p. 65-80

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抄録

レボノルゲストレル配合の緊急避妊薬は,現在日本では処方せんがあれば入手可能である.国民からの要望により,規制緩和が議論されている.本稿では,日本における緊急避妊薬の実態を諸外国の規制と比較し,日本における緊急避妊のOTC(非処方せん)化を実現するための施策を提案する.本稿で検討した日本を除くすべての国では,緊急避妊薬(レボノルゲストレル)は処方せんなしで入手可能である.したがって,日本では,レボノルゲストレル緊急避妊薬を16歳以上の女性を対象に,薬剤師による対面販売を必要とする要指導医薬品に分類することを提案する.また,この分類を維持できるような医薬品規制の変更も提案する.レボノルゲストレル配合緊急避妊薬の価格は,日本以外の国では無料から50ドルまで幅があるが,日本では医師の診察料を含めると183ドル程度が予想される.そこで,患者の経済的負担を軽減するため,価格の一部を医療保険から補填できるような政策の実施を提言する.さらに,一般市民や薬剤師の性教育,薬局施設の更新,近隣の産婦人科クリニックとの連携などに関する追加施策を提案する.

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© 2024 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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