2024 年 14 巻 3 号 p. 323-328
2021年から拡大した医療用医薬品の供給不安は,3年を経過した現在も解決に至っておらず,端緒となった製造管理・品質管理の不備や各企業のガバナンスの問題に加え,医薬品の流通や産業構造,物価高騰やサプライチェーン上の課題などの影響も指摘されており,その背景や要因は複雑化している.厚生労働省では,足下の供給不安への対応として,各医薬品メーカーへの増産依頼や供給状況に係る情報収集,公表などの取り組みを進めている.また,供給不安の背景にある後発医薬品の産業構造上の問題を踏まえ,産業の在るべき姿を示した上で,企業の取り組みを後押ししていくこととしている.