レギュラトリーサイエンス学会誌
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原著
薬局薬剤師による患者フォローアップが薬局での服薬指導時の副作用検出に与える影響
田坂 祐一工藤 知也清水 佳一郎遠藤 瑠里中尾 豊益山 光一
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2026 年 16 巻 1 号 p. 49-58

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抄録

 薬局薬剤師による薬剤使用期間中のフォローアップ(以下,患者フォローアップ)は,副作用やアドヒアランス不良の把握に有用である.しかし,患者フォローアップが薬局での副作用検出に与える影響については十分に定量化されていない.そこで本研究では,薬局薬剤師による患者フォローアップが薬局での副作用検出に与える影響を明らかにすることを目的に,クラウド型電子薬歴Musubi®に登録された薬歴データおよび患者フォローシステムPocket Musubi®の利用状況を解析し,2023年6月1日から2024年5月31日にハイリスク薬に関する薬学的管理が実施された患者における,患者フォローアップ実施状況に応じて薬局での服薬指導時(いわゆる投薬時)のハイリスク薬に関連した副作用の検出率を比較した.その結果,対象患者全体でのハイリスク薬に関連した副作用検出率は3.48%であった.また,患者フォローアップ実施群の副作用検出率は,応答割合が下位75%の患者では5.37%,上位25%の患者では6.95%であり,ともに未実施群(3.36%)と比較して有意に副作用検出率が高かった.服用薬剤数(6剤以上,6剤未満)で層別化したサブグループ解析では,患者フォローアップへの応答割合が上位25%の患者群では,両層において下位75%の患者群と比較して有意に高い副作用検出率が認められた.これらの知見は,薬局での服薬指導時の副作用把握に対する患者フォローアップの有用性を裏づけるとともに,薬局薬剤師による患者フォローアップが外来薬物療法における安全性の向上に広く資する可能性を示唆していると考えられた.

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