抄録
薬事法等の改正事項のうち医薬品開発に関連が深い事項は,再生医療等製品の特性を考慮した条件及び期限付承認の規定および添付文書の位置づけの見直しである.また,本改正と同時に再生医療等の安全性の確保等に関する法律も公布された.これらの基本的な思想は研究開発から実用化までの推進を目指した「リスクの正しい評価と,その程度に応じた適切な対応」と推測される.しかしながら,一方で臨床試験が,目的(薬事承認を目的とするか否か)や被験物(医薬品・医療機器・再生医療等製品の別)により異なる法規制を受けることとなり,正しい理解と適切な運用のためには好ましいものではない.人の生命や健康に影響を与える可能性のある臨床試験の実施や被験物の取扱いに共通かつ一貫した規制体系の確立が望まれる.