抄録
名古屋医療センターが主に支援してきた希少疾患領域の臨床試験は,市場が小さく臨床研究実施の資金供与を受けにくかった.電子化により品質を担保しつつ業務を効率化することを試みた.具体的にはコスト,即ち時間と資金がかかる症例報告書作成,問合せ業務,重複登録対応,安全性情報マネジメント,収集データの標準化,国際共同試験対応,検査値入力とモニタリングについて電子化を推進した.独自ウェブアプリケーション開発,安全性情報マネジメントシステム開発,CDISC対応,電子カルテ連携コンセプト実装など,各業務の特性を考慮した電子化の導入によりデータマネジメント業務の品質向上とコスト低下が認められた.