レギュラトリーサイエンス学会誌
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シリーズ(医薬品・医療機器評価をめぐる最近の話題)
医療機器の市販後安全対策等-PMSとレジストリ-
石井 健介俵木 登美子
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2015 年 5 巻 1 号 p. 73-80

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抄録
市販後調査(PMS: Post Marketing Surveillance)は,治験では得られなかった実臨床下での医療機器の有効性・安全性を確認し,患者にとって臨床上の有益な情報をもたらすと共に,市販後の安全対策を図る上でも重要なものである.しかし,企業のみによるPMSには様々な課題を抱えている.現在,世界的にも産官学の連携による市販後レジストリの構築が重要な位置を占めつつある.良くデザインされた質の高い市販後レジストリは,迅速な安全対策の実施や,患者治療の最適化,医療機器の真の性能把握,治験の軽減などにつながる可能性がある.すでに我が国でも産官学の連携による市販後レジストリ(J-MACS,TAVIレジストリ)が開始されているが,今後さらにレジストリから得られるエビデンスの利用価値などを検討しながら,様々なレジストリを実施していくことが望まれる.
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© 2015 レギュラトリーサイエンス学会
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