レギュラトリーサイエンス学会誌
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ICH(日米EU 医薬品規制調和国際会議)の報告
ICH活動の開発戦略へのImpact-Efficacyガイドライン検討を中心に-
齋藤 宏暢金澤 誠器
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2015 年 5 巻 1 号 p. 93-101

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抄録
日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)は日本,米国,欧州の審査当局と製薬業界が中心となって,Quality,Safety,Efficacy,複合分野における新薬開発に関わる技術的文書を作成し,3極の審査当局が作る新薬開発に関わる薬事規制文書を後押しする活動である.ICHの活動は20年が過ぎ,基本的なガイドライン策定は終了したが,昨今の新薬開発の多様化および新しい技術の導入に関する国際的な調和の必要性から複数の新規案件および重要なガイドラインの改定が行われている.特に,Efficacyの分野においては,臨床試験の品質向上とコスト低減の必要性とともにグローバル試験の定着を目的としたGCPの改定(E6),Multi-Regional Clinical Trialの考え方の統一的な見解の議論(E17),遺伝子情報の取得・保存の検討(E18)が行われている.また,次世代審査体制の導入と世界同時申請・承認を目指す企業の増加により,承認申請文書(Common Technical Document)へのRisk/benefitの評価項目の導入(M4),統計解析における脱落・中止症例のフォローの意義や解析方法の検討(E9)が議論されている.ICH活動はグローバル化されてきた新薬開発へのImpactが強く,作成されたガイドラインが現状にあった新薬開発の道しるべになることが期待される.
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© 2015 レギュラトリーサイエンス学会
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