レギュラトリーサイエンス学会誌
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特集(日本の医療開発の展望)
先駆け審査指定制度と我が国の研究開発を巡る状況
秦 利幸伊藤 好美小池 恒河野 典厚
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2016 年 6 巻 2 号 p. 197-206

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抄録

政府は医薬品・医療機器産業を我が国の成長産業として位置づけ, 日本医療研究開発機構を平成27年 (2015年) 4月に設置するなど, 医療分野の研究開発にかかわる環境整備を積極的に進めている. また, これまでに長い新薬承認審査期間, いわゆるドラッグ・ラグを克服し, 我が国での医薬品開発等にかかわる予見性向上に大きく寄与している. 創薬型の製薬企業は, 経営資源の新薬開発への集中, 産学連携, グローバル化等への対応を進めており, 我が国の医薬品産業はビジネスモデル転換の途上にある. このように我が国の医薬品開発等を巡る環境は従前に比べ大きく変化し, 政府による医薬品開発等の振興策は, 従来の「周回遅れ」の解消とは異なる対応が可能となった. 先駆け審査指定制度はその1例である. 本稿では, 先駆け審査指定制度について紹介するとともに, その背景となる我が国の研究開発を巡る状況を俯瞰したい.

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© 2016 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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