2017 年 7 巻 1 号 p. 17-24
我が国で従来行われてきた市販直後調査について, その実施状況や課題を包括的に把握するべく, 近年承認された新薬 (効能追加等を含む) の製造販売企業に対するアンケート調査を実施した. 市販直後調査はほぼすべての新薬で実施されており, 多くのケースで, 結果は報告書としてまとめられ, 冊子やwebsite掲載などによって医療従事者にフィードバックされていることが確認できた. 直後調査で得られた情報が医薬品リスク管理計画 (RMP) の安全性検討事項の見直しや添付文書等の情報提供資材の改訂につながったケースが約15%の医薬品に認められた. 一方, リスク最小化活動としての観点から直後調査の効果を測定することは困難であった. 調査実施企業の立場からは, 直後調査の実施が求められる新薬の範囲や調査の手法および運用について柔軟性を求める方向での意見が多く示された. 新薬の市販後早期に焦点をあてたリスク管理は極めて重要である一方, 安全対策に注がれる企業側および医療機関側のリソースと得られるパフォーマンス (安全性の向上) のバランスにも注意が払われるべきである.