2017 年 7 巻 1 号 p. 25-29
臨床試験に携わるすべての人は, あらゆる判断やプロセスが適切かどうかを自分自身で 「Why」 と問いかけすべきである. 本論では①データに関するモラル教育と②プロセスによる品質管理といった点に限定し, 生じた問題に対して 「Why」 で向き合う意味を述べていく. ①データに関するモラル教育 ; 臨床試験に携わる者は, データがResearch Questionsに答えてくれるであろうと期待しがちである. しかし, 過度な期待は別の問題を引き起こす可能性がある. その結果として, 社会へ疑わしいエビデンスを広めてしまうことにもなる. それを防ぐために, 臨床試験を行う意味に対して, 常に 「Why」 で向き合うことが重要であり, データに関するモラルが教育の中で醸成される必要がある. ②プロセスによる品質管理 ; この品質管理は, 従来の出口管理とは異なる考え方である. プロセスの作り込み活動を繰り返し行っていくことによる品質管理である. 理論的に正しいプロトコルであったとしても問題は起こりうる. 何か問題が生じる場合は, 見逃せない原因 (assignable cause) があるはずで, 「Why」 で問いながらそれを抑えて行けばプロセスはより一層安定したものになる. このような理解やプロセスの作り込みによる品質管理により, 適正な臨床試験の実施に繋がると考える.