レギュラトリーサイエンス学会誌
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特集(医薬品等に関する先端技術の現状とレギュラトリーサイエンスの課題について)
ナノ医薬品技術の現状とレギュラトリーサイエンス研究の課題
加藤 くみ子奥田 晴宏
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2017 年 7 巻 2 号 p. 105-111

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抄録

ナノテクノロジーは高機能医薬品のための製剤技術として有望である. ナノ製剤化技術には, リポソーム, 高分子ナノ粒子, 鉄ナノ粒子, ナノエマルジョン (リピッドマイクロスフェアを含む), ミセル, ワクチンアジュバント, ナノ結晶製剤などがあり, これらの技術を用いた医薬品が日本で承認されている. 多くは, 低分子化学合成品のための製剤技術として用いられているが, 近年では, 核酸やタンパク質を封入したキャリアの開発も進展している. ナノマテリアルの測定法の開発, 標準品・標準物質や規格文書の作成が国際的に進んでおり, われわれにとっても重要課題である. さらに, われわれはナノ医薬品の製剤特性を反映した品質特性の新たな評価法の構築に努めており, 本稿では原子間力顕微鏡を用いた膜弾性の評価試験法構築について現状と課題を紹介する.

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© 2017 一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会
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