2018 年 8 巻 1 号 p. 27-33
バイオシミラーには, 高騰する医療費の抑制へ貢献が期待され, 直近の政府施策にもバイオシミラー承認品目数の増加が謳われている. バイオシミラーの目標製品品質プロファイル (QTPP) は, 先行品と同じであり, 先行品との同等性/同質性評価や, バイオシミラーの品質管理戦略構築においては, 有効性・安全性の確保を目的とした品質リスクアセスメントにもとづく重要品質特性 (CQA) の特定とその管理範囲の設定が重要となる. バイオシミラーでは, 新薬と比較して臨床試験の実施範囲が限定的であることから, 承認までに蓄積される知識は限られたものとなる可能性があるが, 承認後には新薬と同様に, 独自のライフサイクルマネジメントが必要である. 市販後も適切に品質管理が行われるためには, バイオシミラーの開発過程で, 有効性・安全性と品質特性の関連, さらには, 品質特性と製造工程パラメータの関連に関する知見を十分に蓄積しておくことが望まれる. 本稿では, バイオシミラーの規制および品質評価・管理に関する最近の動向を紹介する.