2019 年 9 巻 3 号 p. 165-174
医療用医薬品から一般用医薬品への移行について日本の新たな仕組み (スイッチOTC成分の新評価システム) が2015年5月に了承され, 本システムで一般用に転用が適当なものとして公表された成分を製造販売承認申請する際には, 原則として, 添付文書理解度調査の結果を提出することとなった. 本調査の目的は, 2016年1月21日に発出された 「要指導医薬品の添付文書理解度調査ガイダンス案」 を実施するための課題を明確にすることである. 本調査は, ガイダンス案にもとづいてパイロットスタディの位置づけで実施された. 有効成分が実在しない医薬品について添付文書記載要領にもとづき, 模擬添付文書を作成し, 理解度調査をインタビュー方式で実施した. 調査の結果, 合格基準を満たさなかったものの, 本試験において見いだされた注意点をふまえ, 運用上の工夫をすることで, ガイダンス案を遵守した調査実施は可能であると推察された.