1976 年 15 巻 1 号 p. 8-14
PCBを安全に焼却処理するための研究の一環としてPCBの加圧空気中および酸素中における酸化分解,発火および燃焼について調べるため,高圧示差熱分析計,高圧熱天秤等を用いて実験を行った.PCBは,大気圧下では加熱すると殆んど蒸発するが,酸素加圧下では蒸発が抑えられ,容場に酸化分解する.また,酸化第ニクロムがPCBの酸化分解および発火燃焼に対して有効な触媒効果を示すことが判明したので,PCBの焼却時に未燃ガスが発生した場合の後処理などとして使用できると考えられる.一方PCBを加圧酸素中で点火すれば容易に燃焼するが,酸素圧力の増大および触媒の添加により,PCBがより完全な燃焼に近づくことが明らかとなった.