安全工学
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15 巻, 1 号
安全工学_1976_1
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
総説
  • 堀川 一男
    1976 年 15 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1976/02/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    欧米で軟鋼が大量に生産されるようになったのは1860年頃であるが,軟鋼の出現により陸上・海上のあらゆる構造物に使用されるようになった.しかし,産業の進歩発展に伴って各種の鉄鋼構造物は大型化,大容量化の傾向が強まり,軟鋼を用いたのでは部材の断面が課題となり構造上,構築上種々の困難が出てきた.そこで開発されたのが高張力鋼である.戦前は鋲,ボルトで接合していたが戦後は溶接継手が主力になったので,溶接に適した強度の高い鋼が生産されるようになり,特殊用途用にも各種の鋼が出現した.

報文
  • 森崎繁,駒宮功額
    1976 年 15 巻 1 号 p. 8-14
    発行日: 1976/02/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    PCBを安全に焼却処理するための研究の一環としてPCBの加圧空気中および酸素中における酸化分解,発火および燃焼について調べるため,高圧示差熱分析計,高圧熱天秤等を用いて実験を行った.PCBは,大気圧下では加熱すると殆んど蒸発するが,酸素加圧下では蒸発が抑えられ,容場に酸化分解する.また,酸化第ニクロムがPCBの酸化分解および発火燃焼に対して有効な触媒効果を示すことが判明したので,PCBの焼却時に未燃ガスが発生した場合の後処理などとして使用できると考えられる.一方PCBを加圧酸素中で点火すれば容易に燃焼するが,酸素圧力の増大および触媒の添加により,PCBがより完全な燃焼に近づくことが明らかとなった.

  • 北原良哉,高木英夫
    1976 年 15 巻 1 号 p. 15-23
    発行日: 1976/02/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    ずい道,たて坑などの掘進作業現場での換気の有効性について,模型実験により検討した.換気方式として補助送気ファンを併用した排気方式をとりあげ,一端を閉鎖した坑道内における吹出し噴流の到達距離と吸込み作用の有効範囲について測定し,それに基づいて発破後ガスと連続湧出ガスに対するこの併用換気方式の混合排除効果から最適風管配置と必要流量について言及した.

資料
  • 清水 久二, 相 衛
    1976 年 15 巻 1 号 p. 24-28
    発行日: 1976/02/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    フランスの安全体系は1966年のフェザン石油の大火災を機に確立した.この大事故は関係者に対して,従来の規則,法律,機関等の集まりだけでは大火災,地震,洪水,石油流出等の未曽有の災害発生に対して適切な組織活動がとれないということを教えた.そこで政府・民間の代表者が研究した結果このような事態において各組織体が連絡を保ちつつ有効に活動しうる総合的なプランORSECを作成した.、また1右油化学ヱ業内部の安全に対してン零特別の技術規則が定められた.この規則は諸外国政府規則の中で最も統一性,具体性に富むものである.各企業は対外的にはORSEC,対内的にはこの技術規則を目標にして自社独自の安全システムを作れば良いのである.

  • 内藤 道夫
    1976 年 15 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 1976/02/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    火災・爆発指数をきめたユニットに対しては予防と安全対策を適用するが,(1)指数に関係なく具備すべき基本的な対策,(2)指数に応じて最小限の対策を4種の適用法に分けて適用する,(3)特に危険な条件になりうるプラントユニットで指数計算表の各該当項目について予防的な対策を適用する.この3種類のカテゴリーに分けて最適な適用を勧告している.旧版との比較では,項目的に大きな変化はないが,合理的で分り易くなっていることと,大型災害防止に重点を置き,各項目の内容も詳細で新しく変えられ,損失防止に重点がおかれていることが特徴である.

  • 鈴木 芳美
    1976 年 15 巻 1 号 p. 37-42
    発行日: 1976/02/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    地下建設工事で起る掘削地層の発熱現象について,これまでに知られた事例と筆者の接した事例とを合せて紹介し,地下酸欠現象との関連を含めて解説した.発熱現象は,地層中の鉄硫化物の酸化に始まる一連の酸化反応過程として捕らえられるが,それは地層が工事の圧気等により急激に酸化環境に変化することにより引起こされる.掘削現場ではこの反応は酸欠現象よりはむしろ発熱現象として性格づけられる.現象の進展は地質条件等により異なり,この種の現象の発生は今後も予想されることから,定量的な現象の解明と,より多くの人々の現象についての認識と理解が望まれる.

  • 須藤 清二
    1976 年 15 巻 1 号 p. 43-48
    発行日: 1976/02/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    今回も日本産業衛生学会許容淡度等に関する委員会事務局安達史朗先生の御了承を得て有害物質の許容濃度表(1975)を御紹介する.1975年は産業衛生学会の総会が例年より3月遅く開催になり,許容濃度等の公式発表が年末になったため,本誌の紹介も例年より遅くなっている.1975年に許容濃度が改訂になったのは塩化ビニル,メチルクロロホルムおよびホルムアルデヒドで,その他は従前の通りである.塩化ビニルについては,発癌性があるため,許容濃度0とすべきという意見もあったが,発癌性についてもdose・responseの関係があるという説もあり,最終的には学者のみでなく,行政当事者,企業家および労働者代表を加えて,徹底的な論議をつくしたとのことで,許容濃度決定方法としては国内の新しい例となった

  • 都崎吉之助,岩田利弘,松尾信之,村上雅明,河野慎一
    1976 年 15 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 1976/02/15
    公開日: 2018/06/30
    ジャーナル フリー

    大分製鉄所は最新鋭の製鉄所として,その環境保全対策のレベルは極めて高く,十分な成果を挙げて来たが,騒音対策については発足当時,火規模工場の広域騒音伝播に関する資料が皆無に近かったことから,気象条件に起因する騒音レベルのアップと言う難関に遭遇した.以来3年有余にわたり当所の懸命な技術的解明の努力と厖大な投資とによって,この問題を解決することが出来たが,以下その経緯の大略について報告する.

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