安全工学
Online ISSN : 2424-0656
Print ISSN : 0570-4480
ISSN-L : 0570-4480
資料
電撃傷
大橋 正次郎
著者情報
キーワード: 電撃傷
ジャーナル フリー

1977 年 16 巻 1 号 p. 36-43

詳細
抄録

東京電力病院の外科では過去20数年間に電撃傷の入院患者が348名あったので,その間の経験と,電撃傷の動物実除から得られた資料および文献をもとに,電撃傷による生命の危険性・後遺症というものを,どのように理解し,どのように治療しているかなどを解説するが,とくに生命の危険性について述べる.なお,最近は雷による感電の資料も集め動物実験を行っているので,それらについても触れる.感電死亡の大多数は.心停止とくに心室細動による即死と考えられる.即死でない,いわゆる遷延死の患者は少ないが,その死因は,急性腎不全・敗血症を主とする感染症・急性十二指腸潰瘍を主とする消化器合併症・いわゆるショックなどが挙げられる.後遺症としては,四肢の感電による切断・変形から生ずる四肢,とくに手の機能障害が最も多く,その他の後遺症は少ない.

著者関連情報
© 1977 特定非営利活動法人 安全工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top