1979 年 18 巻 1 号 p. 8-13
液状各種市販有機過酸化物の分解温度,分解熱をピンホールパンを用いてTG-DSCで測定した.また,発火点を測定し,分解温度との関係を求めた.その結果,ピンホールパンを用いてのTG曲線,DSC曲線から,ピンホール径が適当ならば,適切な分解温度,分解熱が求まることがわかった.また,DSCにおける分解ピーク温度と発火点とは,相開性があり,直線関係が認められる.しかし,市販品の分解開始温度および発火点は,純品に比し若干低くでる傾向が認められる.さらに,市販品の分解熱も純品に比しー般に高くでることから,過酸化物と希釈剤との誘発分解による反応熱が大きく寄与してくることが認められた.