1981 年 20 巻 1 号 p. 9-15
PID-SCR温度制御技術を応用して新型の自然発火試験装置を製作した.この装置によって記録される物質の断熱発熱曲線に関して(2)式が成立する(2)式と Frank-Kamenetskiiの熱発火限界条件との間の関連式{(9)式}を適用することにより物質の熱発火限界温度を比較的容易に算出することができる.過酸化ベンゾイルの75-85℃における発熱分解反応につき,活性エネルギーE=62.87kcal/mole,頻度因子A=8.75×1030mole/cm3・min;また,80℃におけるこのものの熱拡散率を5.76×10-2cm2/minと求めた.これらのデータに基づき,この物質の10kg包装品の熱発火限界温度を79℃と求めたが,この値はこの物質に関するSADTの値82℃にかなり近い.