安全工学
Online ISSN : 2424-0656
Print ISSN : 0570-4480
ISSN-L : 0570-4480
報文
自然発火試験装置を用いて熱発火限界温度を算出する試み
琴寄崇,内藤道夫丸太 道男秋田 一雄
著者情報
キーワード: 火災, 測定法, 自然発火
ジャーナル フリー

1981 年 20 巻 1 号 p. 9-15

詳細
抄録

PID-SCR温度制御技術を応用して新型の自然発火試験装置を製作した.この装置によって記録される物質の断熱発熱曲線に関して(2)式が成立する(2)式と Frank-Kamenetskiiの熱発火限界条件との間の関連式{(9)式}を適用することにより物質の熱発火限界温度を比較的容易に算出することができる.過酸化ベンゾイルの75-85℃における発熱分解反応につき,活性エネルギーE=62.87kcal/mole,頻度因子A=8.75×1030mole/cm3・min;また80℃におけるこのものの熱拡散率を5.76×10-2cm2/minと求めた.これらのデータに基づき,この物質の10kg包装品の熱発火限界温度を79℃と求めたが,この値はこの物質に関するSADTの値82℃にかなり近い.

著者関連情報
© 1981 特定非営利活動法人 安全工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top