1992 年 31 巻 1 号 p. 2-8
安全性確保のための信頼性技術とフェールセーフ技術の本質は,それぞれ系の秩序性の維持の原理,系を無秩序な状態へと遷移させる原理に立脚している.後者は,事象が自然に収束する方向(エントロピーの極大化の方向)と一致しているため安全性を実現する方法として理にかなっている,しかし,フェールセーフ技術にもおのずから限界がある.両技術をうまく調和させて安全性を達成する方法について解説し,安全設計における信頼性技術とフェールセーフ技術の位置づけを定性的および定量的側面から 例証する.