1994 年 33 巻 1 号 p. 27-31
災害時における飲料水確保は重要な課題である. 逆浸透膜は水分子を透過させるが,これ以外の濁質,細菌,有機・無機塩類,化学物質などの大半は.透過を阻止できるので,海水から飲料水が分離できる. 膜の特性を引き出すには,前処理でいかに効率よく濁質を除去するかが決め手となる.本稿では,前処理にカートリッジ式メンブレン炉過法と,直接凝集炉過法を用いた小型逆浸透膜装置について検討した.その結果,汚濁海水からでも飲料水が採れ,災害時に即応できる車載型海水淡水化装置の開発ができた.