2001 年 40 巻 2 号 p. 72-78
日本の労働安全衛生は成熟期にあり,世界的に見ても最良の部類に入るが,ゼロ災害にはほど遠い.四半世紀,特に最後の10年における労働衛生分野の動向を有筈要因との対応,廃棄物処理,事務所環境,情報処理,非定常的作業環境などについて述べた.20世紀末からすでに始まっている産業構造の流動化と第3次産業化・知識労働化,高年齢化など労働態様の変化に技術的,組織的に対応するととも に,21世紀には安全衛生技術の国際的移転を促進し,国内においては中小規模企業にも安全衛生が敷ふ 衛するようにするべきである.