我が国における生態リスク評価に関して紹介した.我が国の行政的な化学物質環境リスク管理のさきがけとなった化審法において,環境リスク評価の対象が人健康から生態影響へと広がった経緯について整理した.また,一般的な生態リスク評価事例として環境省が実施している「化学物質の環境リスク評価」について紹介を行った.本評価は初期評価として,より詳細なリスク評価を行うべきかどうかなどについて判定することを目的としている.生態リスク評価を有害性評価,曝露評価,リスクの判定に分類して内容の説明を行った.生態有害性評価においては,生物毒性試験に関する信頼性評価を行った上で予測無影響濃度を導出している.これと曝露評価に基づく予測環境中濃度との比較により生態リスクを判定する.また,生態リスク評価における今後の課題について考察を行った.