本論では,統計処理では見出しにくい,発生頻度の低い事故予兆に関わる知識を獲得するための手法と実験例を紹介する.本手法は,プロセスデータから時系列解析手法を用いて作成したプロセスシミュレーションモデルおよびゲーミング&シミュレーション手法を用いて設計した.そして,実際に発生した事故を運転員が仮想体験することで,運転員自身がシミュレータを用いて操作したログや,ゲーミングを通して危機への対応策を議論した記録を分析する.実験の結果,シミュレータの操作から5 件の事故予兆となる新たなヒヤリハットを発見することができた.