我が国の製造業では設置後30 年以上経過する経年化機械設備の数が多くなっている.本稿では,厚生労働省が,平成29 年度から令和元年度において実施した「老朽化した生産設備における安全対策の調査分析事業」1)~3)のアンケート回答結果をもとに,前報4)に引き続き,経年化設備による労働災害について「保護方策不備」の点から安全対策の解析を実施した.その結果,製造業において機械等による労働災害として最も多い「はさまれ,巻き込まれ」災害が,機械設備の「保護方策」の不備が原因で起きていることが明らかとなった.「機械の包括的な安全基準に関する指針」5)では,機械の設計・製造段階及び使用段階での「保護方策」が示されているが,多くの古い設備では,十分な対策が実施されていないことが明らかとなり,重点的かつ優先的な安全対策が求められる.