2023 年 62 巻 2 号 p. 81-86
インストラクショナルデザインの分野では教育工学の知見をもとに教育を効果的・効率的・魅力的にするための汎用的理論やモデルが提案されてきた.安全工学の研究成果を安全・安心の実現に向けて広く伝えるためには,インストラクショナルデザインで論じられる教育理論やモデルに基づいた科学的根拠を有する教育実践の構築が重要である.本総説論文では,まず,教育実践の効果を確認するための枠組みである「学習成果の5 分類」を示す.そして,教育の効率を高める仕組みのモデルである「TOTE モデル」とID の第一原理」,および教育の魅力を高める要素を論じた「ARCS モデル」を紹介する.