2025 年 64 巻 2 号 p. 74-79
(独)海技教育機構の練習船では,①事故の未然防止,②危険感受性の醸成,③安全意識の向上,を目的にヒヤリハット報告を推進している.1 年間で報告された901 件のヒヤリハット事例のうち,86 %が人的要因に起因していた.運航に関する特徴的な事例を分析し,1)継続的な見張りの重要性,2)航海計器活用の重要性,3)衝突防止を考慮した航海計画の重要性,4)有効なコミュニケーションの重要性,5)現場対応策,6)思い込み防止の重要性を抽出した.これらを基に,衝突予防対策として①見張り訓練,②航海計画立案訓練,③リソース活用訓練,④思い込み防止訓練を提案した.