2025 年 64 巻 2 号 p. 80-87
STAMP による安全工学のパラダイムシフトとして , 「信頼性の確保」から「安全のコントロール」へ と焦点を変える考え方が米国で広まっている . 近年の複雑なシステムは , ソフトウェア集約型で , 機械だ けでなく人や組織ひいては社会機構などの要素で構成されており , その安全設計をする上で従来の安全工 学の手法だけでは扱いきれないことが多い . この STAMP の中で ,STPA によるハザード分析という方法 論は理解されつつあるが , それを安全設計にどう組み込むか , さらには , 運用後の安全管理にどうつなげ るかは十分な理解が得られていない . 本総説では , その全体像を示すとともに , その応用例として遠隔地 クレーン制御システムの安全設計の事例を示す .