2024 年 10 巻 1 号 p. 73-77
要旨:〔目的〕ロコモティブシンドロームは,高齢者以外でも健康問題として取り組む必要がある。そこで,壮年期の女性が,ロコモティブシンドロームに関する不安感を抱いているのかを調査し,不安感と身体機能について検討する。〔対象〕対象は,40歳〜64歳までの地域で自立して生活する壮年期の女性13名とした。〔方法〕調査は将来のロコモティブシンドロームに不安を感じるかどうかを質問紙によって尋ねた。身体機能評価として,握力,30秒椅子立ち上がりテスト,Timed Up & Go Test(TUG),最大歩行速度,快適歩行速度,開眼片足立ち,骨密度,骨格筋指数を評価した。〔結果〕不安を感じるものは10人であり,TUG(p <0.05,d=1.49)と最大歩行速度(p <0.05,d=1.57)で不安を感じない者と比較して,有意に遅い値となった。〔結論〕ロコモティブシンドロームに対する不安という本人の自覚をきっかけにロコモティブシンドローム予防へ介入していくことが有用であることが示唆された。