2024 年 10 巻 1 号 p. 79-85
要旨:〔目的〕高齢者の握力が体力の代表値として適しているかを検証した。〔対象〕地域在住高齢者214名とした。〔方法〕男女別に年代ごとの握力を比較し,握力と身体機能の関連を検討した。また,握力低下の有無に基づいて群分けし,身体機能を比較した。〔結果〕年代ごとの握力は男女ともに75歳以降は弱かった。男性の握力は上体起こし,TUG,最大歩行速度と,女性は上体起こし,開眼片足立ち,5 回椅子立ち上がりテスト,TUG,通常歩行速度,最大歩行速度との間に有意な相関があった。握力低下の有無別に身体機能を比較した結果,男性では有意差はなかったが,女性は開眼片足立ち,TUG,通常歩行速度に有意差があった。〔結語〕女性高齢者の握力は身体機能の指標として有用であることが示されたが,男性高齢者の握力は身体機能を包括的に反映していなかった。包括的に体力を評価する際は,さまざまな体力の要素を考慮する必要がある。