2018 年 4 巻 1 号 p. 19-23
本研究は,地域の野球クラブと剣道クラブに所属している小学生を対象に,文部科学 省の示した新体力テスト(握力,上体起こし,長座体前屈,反復横とび,50 m 走,立ち幅跳び,およびソフトボール投げ)の 7 項目に大腿四頭筋筋力,足趾把持力,肩関節内外旋可動域を加えた合計10項目の測定を行い,習慣的に運動している種類の違いにより,運動能力に差があるかないかを検討した。その結果,肩内旋可動域は剣道クラブが有意に大きかった。野球クラブにおいて有意に足趾把持力は強く,ソフトボールを投げる距離は遠く,反復横とびの回数は多かった。習慣的に実施するスポーツの違いで,学童期という比較的早い時期から運動能力に違いがでることが示唆された。