理学療法さが
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パーキンソン病患者の拘束性換気障害の有無による 身体機能および日常生活活動との関係
八谷 瑞紀熊野 亘中村 正造堀江 淳村田 伸
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2022 年 8 巻 1 号 p. 83-87

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抄録

[目的]パーキンソン病患者を呼吸機能検査から正常群と拘束性換気障害群の 2 群に分け,身体機能および日常生活活動との関係について明らかにすること。[対象]パーキンソン病患者15人。[方法]%VC が80%以上の正常群,80% 未満の拘束性換気障害群の 2 群に分けた。評価項目は,大腿四頭筋筋力,足指把持力,虚弱高齢者用10秒椅子立ち上がりテスト,重心動揺,Functional reach test(FRT),片足立ちテスト,5 m 歩行テスト,10m 障害物歩行時間,timed up and go test,機能的自立度評価法を用いた。2 群間をMann-Whitney の U 検定により比較した。[結果]拘束性換気障害群は正常群よりも片足立ちテストは有意に保持時間が短く(p=0.04),FRT は有意に到達距離が短かった(p=0.01)。一方,それ以外の項目は2群間に有意な差を認めなかった。[結論]パーキンソン病特有の運動障害により拘束性換気障害を生じる程の筋の柔軟性および胸部可動性の低下は,片足立ちテストや FRT にも影響を与える可能性が示された。

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© 2022 公益社団法人 佐賀県理学療法士会

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