抄録
[目的]要支援高齢者と要介護高齢者の身体機能と栄養状態の違いを明らかにすることとした。[対象]介護認定を受けた高齢者44名(平均83.2±7.1歳)であった。[方法]身体機能は,握力,膝伸展筋力,歩行速度,5回椅子立ち座りテスト,閉脚立位,セミタンデム立位,フルタンデム立位,開眼片脚立ち時間で評価した。栄養状態は,mini nutritional assessment で評価した。統計処理は,対象者を要支援群と要介護群の2 群に分けた後,2項ロジスティック回帰分析を行った。[結果]要支援群と要介護群を分ける因子にフルタンデム立位[オッズ比:0.77(0.61〜0.97),p=0.030]が選択された。[結語]要支援高齢者と要介護高齢者を分ける因子は,フルタンデム立位であることが明らかになった。要介護への悪化を防ぐには立位バランス能力への介入が必要である可能性が示唆された。