山陽論叢
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Sarcopenic Dysphagia の嚥下機能評価
甲状軟骨部の視診の重要性
山本 真弓
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2023 年 29 巻 p. 91-100

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抄録

要 旨 肺炎高齢者の 6 割強は誤嚥が要因である(Teramoto,2008)。誤嚥のリスクとなるサルコペ ニアによる摂食嚥下障害は、フレイルの高齢者に低栄養、侵襲、廃用といった要素が加わる ことで生ずる(森 2016)。嚥下機能評価は嚥下造影検査がゴールデンスタンダードであり(柴 田 2013)、全身の筋肉量・筋力・嚥下機能を勘案した診断法が提案され、さらにリハビリテ ーション栄養管理の有用性(若林 2014)、甲状軟骨部皮膚牽引の有用性(佐藤 2016)が示 されている。看護基礎教育において、フィジカルアセスメントは看護実践力を強化する必須 の技術であるが、認定看護師への調査では嚥下項目の評価は不十分、RSST、MWST を追加 すること、ならびに甲状軟骨部の視診の重要性が示された(加藤 2017)。本稿では、嚥下機能 評価の現状と形態機能学的評価の必要性を看護実践に必要なフィジカルアセスメント項目 および嚥下機能評価、形態機能に着目して概説する。

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© 2023 山陽学園大学・山陽学園短期大学
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