日本化粧品技術者会誌
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ペプチド-シリコーンハイブリッドポリマーを用いたマイクロカプセルのサンケア剤への応用
伊賀 由美子松井 康子瀬川 昭博森田 幸浩植田 有香吉岡 正人
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2011 年 45 巻 1 号 p. 22-27

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抄録
天然由来原料であるペプチドは,皮膚や髪に対する親和性から種々の機能を発揮することが知られている。また,さまざまな化学修飾を経ることでペプチドのさらなる機能拡大が図られてきた。中でも,ペプチドの新たな機能発現を目的に開発されたペプチド─シリコーンハイブリッドポリマーを用いたマイクロカプセルは,高い内包率で成分を内包化できる特徴を有している。この技術を用いて調製した紫外線吸収剤内包マイクロカプセルは水に分散するため,処方への紫外線吸収剤の導入を容易にした。また,カプセル化することにより内包成分を他の成分と切り離すことができ,皮膚深部への紫外線吸収剤の浸透を抑えることから,処方の安全性・安定性向上に寄与することが確認された。さらに,内包する紫外線吸収剤の選択により,UV吸収領域の自在なコントロールが可能であることから,複数の紫外線吸収剤内包マイクロカプセルを併用することで,欧州の新規制に代表されるようなUVB~UVA領域にバランスのとれたUV吸収能を有する処方の設計も容易になる可能性が示唆された。
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© 2011 日本化粧品技術者会
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