2022 年 56 巻 1 号 p. 33-40
カルボニル化タンパク(CP)は,皮膚の最外層に位置する角層(SC)において生成され,保水力などSCの機能を低下させる。SCにおいてCPは,紫外線(UV)照射を含むさまざまな酸化ストレスによって形成される。カルボニル基は,過酸化脂質から分解されたアルデヒドとの反応を経てタンパク質に導入されうる。われわれはこれまでに皮脂中の不飽和脂質であるスクアレン(SQ)存在下でのUV照射による角層カルボニル化タンパク(SCCP)誘導を含む,皮膚表面に発生したUV誘起脂質酸化によるSCCP生成を模した新しい実験系を確立した。一方,これまでのところUV防御によるSCCP生成抑制に着目をした研究は行われていない。そこで,本研究では,SQ存在下でUVが誘導するSCCP生成に対するさまざまなUV吸収剤の防御効果を評価した。その結果,われわれは,UVB, UVA吸収剤のどちらもがSQ存在下でUV照射により生じるSCCP誘導およびSQの過酸化物価の増加を抑制することを確認した。UVBとUVAどちらの防御も,SCCP生成を防ぎ健康な肌を維持するために必須であることが示された。