日本化粧品技術者会誌
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原著
カバー効果と自然さを両立する両親媒性ポリマーネットワークを有したW/Oファンデーションの開発
栃岡 沙希齋藤 悠五十嵐 崇訓山澤 隆史芝野 友紀子半山 香穂里
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ジャーナル 認証あり

2023 年 57 巻 3 号 p. 242-250

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抄録

一般的にファンデーションを使用すると,カバー効果が得られると同時にマットで白浮きするといった不自然さを伴いやすく,カバー効果と仕上がりの自然さの両立は依然として課題である。この課題の主な要因は,肌と化粧塗膜の構造および光伝播特性の比較から,カバー効果付与のために配合された高屈折率の顔料の形成する塗膜表面の凹凸が光の多くを乱反射し,塗膜内部での顔料による光吸収を妨げることで,自然さとして重要なツヤと発色を損なうことであると考察した。これを解消し,カバー効果と自然さを両立するためには,化粧塗膜中の顔料の存在状態を制御し,顔料より屈折率の低いビヒクル内部に顔料を均一に保持した塗膜を形成することが有効である。そこで本研究では両親媒性ポリマーに着目し,併用する界面活性剤を最適化することで,W/Oエマルション中で強固なポリマーネットワーク構造を形成し,高い顔料保持能を発現させる技術を新たに構築した。塗膜解析および仕上がり評価の結果,本技術を用いた製剤が狙いとした特徴を有する塗膜を形成し,カバー効果とツヤ・白浮きのない発色を兼ね備えた自然で美しい仕上がりを実現することが確認された。

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