日本化粧品技術者会誌
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体臭発生機構の解析とその対処 (1)
腋臭に関与する鉄の影響と抗酸化剤の防臭効果
飯田 悟一ノ瀬 昇五味 哲夫染矢 慶太平野 幸治小倉 実治山崎 定彦櫻井 和俊
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2003 年 37 巻 3 号 p. 195-201

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抄録

人々の清潔志向を背景に, 腋臭を中心とした体臭のデオドラントニーズは年々高まっている。われわれは, 官能評価および機器分析を用いてヒトの腋臭について研究した結果, 新たな臭気原因成分としてビニルケトン類 (1-octen-3-one, cis-1,5-octadien-3-one) を発見した。これらビニルケトン類のにおい閾値は非常に低く強烈な金属臭を有し, 腋臭に大きく寄与していることが示唆された。これら臭気は, 人体代謝物中の不飽和脂肪酸と鉄が接触して生成する酸化物であることをモデル実験によりつきとめ, におい発生のメカニズムを解明した。また, 植物抽出エキスの抗酸化作用により, ビニルケトン類の生成を抑制する方法をin vitro系にて検討し, 『クワエキス』に優れた生成抑制効果を見出した。

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