日本化粧品技術者会誌
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体質 (証) と皮膚生理に関する研究
中医生薬処方の開発
横井 時也中山 泰一
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2005 年 39 巻 2 号 p. 92-99

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抄録

中国医学 (中医学) は, 「証 (体質)」に対して治療する医学と言われている。東京在住の健常人ボランティアに対し, 中医学概念に基づいて4タイプに分類した肌と6大体質との関係について検討した。その結果, 肌タイプはいくつかの体質により構成されており, たとえば, 熱性肌は「湿熱体質」と「陰虚体質」の構成比率が高く, 寒性肌は「気血両虚体質」と「陽虚体質」が, 湿性肌は「痰湿体質」が, 燥性肌は「気血両虚体質」と「陰虚体質」の構成比が高いことが明らかとなった。すなわち, 4肌タイプの特徴は, 構成する体質が持つ局所症状の総和として表現されたものであると考えられた。さらに4タイプの肌の特徴を変化させると考えられる中医外用処方を試作し, 肌タイプごとにその作用を検証した結果, 中医外用処方のそれぞれが肌の特性を変えることが判明したことから, 4タイプの肌分類は中医理論に則した妥当な分類であると考えられた。

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