抄録
本研究ではポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて手が濡れた状態でも利用できるクレンジングオイルの開発を行った。自己乳化性に優れるポリグリセリン脂肪酸エステルは, 脂肪酸とポリグリセリンの反応モル比を調整することにより合成することができた。クレンジングの機構を確認するため, 溶存状態の変化という観点から相平衡図を作成した。水/界面活性剤/油系の相図において, 活性剤-油軸付近に少量の水を可溶化したW/O型マイクロエマルションを形成する。相図中で水頂点に向かって洗浄が進むと考えると, 水の可溶化量の少なさが濡れた状態で使えない原因であると予想された。補助界面活性剤としてポリグリセリン中鎖脂肪酸エステルを添加したところ, 無添加系で最大10wt%程度であった水の可溶化量が, 80wt%と急激に増大することがわかった。その結果, これらポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて調製したクレンジングオイルは, 濡れた状態でも機能を損なうことなく利用できることが明らかとなった。