抄録
現在,3次元地図を用いた歩行者ナビゲーションの研究が始められている. 3次元地図に用いられる大半の建造物モデルは,航空写真や衛星写真などの空撮写真をもとに作成されるため,一度に広域の3次元モデルが作成可能である.しかし,立体交差によるオクルージョン,建造物内部や地下街では,空撮による画像情報が取得不可能であるため3次元モデルを自動的に生成することは難しい.
3次元情報の欠落した建造物に対しては,従来の人の手によるモデリングにより3次元モデルが作成されるが,作成・維持することはコスト的に困難である.
本研究では,全方位画像センサ,地磁気センサ,GPS,歩数計,高度計を地図生成装置として着用した歩行者が移動することにより,歩行者が移動可能な範囲を自動的に立体地図として生成するシステムを目指す.
基礎実験として,マルチベースラインステレオ法を用い,2枚の全方位画像から距離画像を生成した.