抄録
異なる物質や,水と氷のように物理状態の異なる2相を隔てる曲面は相境界または界面と呼ばれる.相境界は一般に非平衡状態であり,相境界と状態の挙動を決定する問題は,自由境界問題と呼ばれ, 相境界の挙動は外部からの影響を受ける. しかし,材料科学における金属の焼き鈍しで見られる粒界の運動のように,その挙動が相境界の幾何学的形状のみに依存する場合も存在する. 本論文では,相境界の挙動が外部の状態に依存せず,相境界の幾何学的形状(曲率)にのみに依存する場合を考察対象に等高面法を用いて相境界の挙動解析を行い,外乱の相境界挙動への影響を解析する.