抄録
従来の提携形ゲームでは提携やその形成に制限がなく,すべての提携が実現可能であると仮定している.そこで,実現不可能な提携を扱った実現可能提携システムや提携の実現可能度を考慮した実現可能提携システム(Graded Feasible Coalition System:GFCS)による制限ゲームが考えられている.また,そのような制限を伴うゲームの解として制限ゲームを通したMyerson値がある.本研究では,提携や提携へのプレイヤーの参加に対して制限を考え,それぞれの制限の下で限界貢献度に基づく解を定義する.特に,GFCSによる制限において制限ゲームを通さず直接的に解を定義し,Myerson値と比較する.