抄録
工学的に有用な多くの問題は関数最適化問題として定式化できる.さらに,決定変数が離散的な値を取るならば,関数最適化問題は合せ最適化問題として扱うことができる.ここで組み合わせ最適化問題の解法としては局所探索法が有効である.著者らは局所探索法を拡張した可変近傍探索法を提案し,フィルタの設計問題に適用している.しかし,大規模な最適化問題では可変近傍探索法の実行時間は非常に長くなる.そこで本稿では,対象とする最適化問題の特性を考慮して,探索空間を段階的に分ける新たな分割(Free\&Freeze法)を提案する.さらに,幾つかのテスト問題においてその性能を評価し,Free&Freeze法の有用性を示す.