抄録
システム制御理論における設計問題の多くが双線形行列不等式(Bilinear Matrix Inequality:BMI)で記述されるが,現実的な規模の問題では非常に多くの計算時間がかかる.このためBMIの大域的最適解を効率良く求めるアルゴリズムが要望されている.しかし,現在そのようなアルゴリズムは確立されていない.そこで本研究では計算時間の短縮を目的として,大域的最適化法の一つである分枝限定法の並列化を行った.またそのアルゴリズムをC言語およびC++で実装し,クラスタマシンを用いた計算機実験によりパフォーマンスを検証した.