抄録
本論文では、移動ロボットに簡単に走行経路を教示する手法として、視覚情報を基にした走行経路教示法においてディジタルカメラ画像を利用することを提案する。すなわち、予めオペレータがロボットを走行させる経路中において進行方向を示す画像や、右左折地点、走行停止地点等の要所地点における画像(以下、教示画像と呼ぶ)をディジタルカメラを用いて撮影する。次に教示画像中から視覚情報を含む特徴領域としてロボットの進行方向や自己位置認識のためのランドマークとなるものを指定する。また、その時にロボットがとるべき行動を指示しロボットに入力する。ロボットは、走行時に画像を逐次入力しながら、入力した画像中から指定した特徴領域を検出することで走行経路中における自己位置を認識し、その教示画像で与えられた行動の指示に基づき自律走行する。本稿では、提案手法を用いて実際の使用を想定した屋外走行実験を行った結果について報告する。