抄録
本研究では、複数台の行き先階登録方式エレベータからなるシステムを扱う。ここで、行き先階登録方式とは、乗客がエレベータホールで自分の行き先階を登録する方式のことであり、乗客の行き先階の情報を用いることにより、効率よく乗客を運ぶことができるものと期待されている。そこで、本研究では、行き先階登録方式による効率の改善効果を、おもに即時案内表示方式と非即時案内表示方式との比較を中心に、シミュレーションを通じて検討する。ここに、即時案内表示方式とは、乗客がエレベータホールでボタンを押した直後に乗車すべきエレベータを案内する方式であり、非即時案内表示方式は、乗車すべきエレベータがホールに到着した際に案内する方式である。